バッテリービジネスは21世紀に成長する素地(そじ)が整っている。20世紀の石油がそうだったように、そこにはスピードと地政学的な要素がある。Freyr Battery(フレイル・バッテリー)はその双方で有利な側に立っている。2018年に設立されたノルウェーのスタートアップである同社は先月、米国の特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて上場した。この合併で調達した8億9000万ドル(約980億円)は、ノルウェーのモイラーナで「ギガファクトリー」を建設する資金に充てる。水力発電所を擁するモイラーナは鉄鋼業とともに発展した町だ。そうした安価で環境に優しい電力源は今や、欧州最大のリチウムイオン電池サプライヤーになるというフレイルの事業計画の中核を成している。同社は安価な電力へのアクセス、目標規模、新たなバッテリー技術によって、2025年には世界のどのメーカーよりもコスト面で優位に立てると考えている。こうした売り文句は、フォルクスワーゲン・グループやゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントなどが出資するスウェーデンの人気バッテリーメーカー、ノースボルトと共通している。
バッテリー新興企業フレイル、強みは地元の電力
低コストで低炭素の「ギガファクトリー」建設目指す
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