ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の再任の是非を巡り、民主党内で不協和音が生じている。ジョー・バイデン大統領の経済チームはおおむね再任を支持しているが、エリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)ら党内の有力左派議員が難色を示しており、議長交代につながる可能性がある。内情に詳しい関係筋が明らかにした。パウエル氏は、失業率改善を一段と重視する方向へとFRBを導いたとして、一部の民主党議員から高い評価を受けている。こうした動きはFRBが昨年、新型コロナウイルス禍に対して強力な対応策を講じたことと重なる。だが、左派からは不満の声が漏れる。パウエル氏が2008年の金融危機後に導入された金融規制の緩和に傾いたためで、与党・民主党の政治路線により整合する人物を議長にすべきだとの立場だ。