現金を持て余している企業による短期融資が異例の水準に跳ね上がっていることを受け、ウォール街ではこの先、金融市場が大混乱に陥りかねないとの警戒感が高まっている。マネー・マーケット・ファンド(MMF)などの投資家や銀行が、米連邦準備制度理事会(FRB)の翌日物リバースレポ・ファシリティーに置く余剰資金は足元で1兆ドル(約110兆円)余りに達している。これはFRBが2013年に同制度を導入して以降、最高水準だ。あまりに巨額のマネーがリバースレポへと流れていることで、アナリストからは短期金融市場が今後、大荒れになるのではと心配する声が上がっている。今夏にリバースレポ利用額が急増した背景には、FRBが6月にリバースレポ金利を0%から0.05%に引き上げたことがありそうだ。ただ、利用額はそれ以前の春頃からすでに増加していた。