8月の気だるい週末が開けた9日、世界は憂慮すべきニュースで目覚めた。気候の「黙示録」が間近に迫っており、その責めは人類が負い、世界経済を作り直さない限り、大混乱と死は避けられない。この門をくぐる者は、汝(なんじ)の罪を悔い改めよ。これは、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が公表した最新報告書について伝える、地獄の責め苦のようなメディアの口調をやや誇張したにすぎない。IPCCは気候変動に関する最も有力な証拠を提供すると主張している科学者と政治家の集まりだ。天然ガスのストーブやこんろを使っているだけで、あなたがひどい人間だと非難される時代が来るのに備えるべきだ。***分厚い報告書をじっくり読むのは時間がかかるだろう。だが41ページにわたる「政策立案者向けの概要」を一読し、残りの部分に目を通すと、気候の神々のためにあなたの生命や、あるいは生活水準すら、犠牲にする正当な理由はないことが分かる。熱を帯びた表現はさておき、この報告書は2013年の前回報告書と比べてあまり目新しい内容を伝えておらず、その一部は前回ほど深刻なものではない。
【社説】気候変動はそれほど壊滅的か
国連の最新報告書に誇張あり
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