中国北西部の寧夏で9日から、同国とロシア両軍の兵士1万人が合同軍事演習を開始した。中国は人民解放軍の新兵器の一部を演習で試すほか、アフガニスタン情勢など安全保障上の共通の脅威に対して、中ロの結束を示す狙いがある。両国国防省の発表によると、演習はテロ対策や地域の治安・安定を共同で維持することに主眼が置かれている。中国国営メディアは11日、中国が他国と合同で軍事演習を行うのは、新型コロナウイルス禍が始まって以降初めてと伝えた。中国とロシアは、定期的に空・陸・海の軍事演習を行っている。北朝鮮や東シナ海問題といった利害が一致する分野で武力を誇示するためだ。2018年には、ロシアが極東で開催する同国最大の年次軍事演習に中国を招待した。旧ソ連の緊密な同盟国以外では初めてだ。両国が単なる武力の誇示を超えて、兵器システムや指揮系統で足並みをそろえる方向へと向かっていることがうかがわれる。