国連諮問機関の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発表した最新報告書の結論――気温が上昇しており、一部の影響は取り返しがつかない――に、驚きはなかった。こうした見解は2013年に発表された前回の報告書とほぼ同様だった。むしろ一段と興味深く、さらに重要ともなり得るのは、IPCCがその見解への確信を強めていることだ。気候変動は非常に複雑であるため、その研究には不確実性がつきものだ。すなわち、気候変動の根本原因やその重大さ、そしてそれらの相互作用を巡る不確実性や、気象パターンなどへの影響の不確実性、さらには緩和策のコストと効果に関する不確実性もある。そのため、加盟195カ国の政府による緩和計画策定を支援するIPCCは、何千もの研究と多数の独立系科学者によるモデルの評価に基づいて得られた調査結果に、さまざまなレベルの確信度を付与している。
IPCC温暖化報告書、パニック無用も行動が急務
気温の急上昇リスクは低下、無策の場合のリスクは増加
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