中国で最も大きな負債を抱えた不動産開発大手のトラブルは、収束にはなお程遠い。中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)の株価は今週に入り11%上昇している。電気自動車(EV)部門や不動産管理部門などの上場子会社の株式を一部売却する交渉を行っているとの発表が好感された。だが、同社の財務状況は依然として厳しい。同社株は昨年7月から80%近く下落した。社債もディストレスト債の水準で取引されている。中には額面の半分にも満たないものもある。中国恒大が保有する上場2社の株式は約160億ドル(約1兆7700億円)と評価されており、差し迫った流動性の圧力を和らげる一助となるかもしれない。特に、安定した事業で利益を上げている不動産管理会社は、他のデベロッパーにとって魅力的な存在となり得る。一方、多額の負債を抱え、まだ1台も販売していない不採算のEV部門は、売却するのは難しいかもしれない。中国恒大が保有するEV部門の株式65%は約100億ドル相当で、2月から8割余りも落ち込んでいる。同社は今月既に、インターネット部門の株式7%を中国のインターネットサービス大手、テンセントホールディングスを含む投資家に売却し、約4億ドルを調達している。