暗号資産(仮想通貨)マニアが最も避けたいことの一つは、米政府に対するエクスポージャーが高まることだ。いわゆる「ステーブルコイン」で首位のテザーを通じて、まさに彼らはその状況にあることが分かった。テザー発行元であるテザー・ホールディングスは、資産630億ドル(約6兆9500億円)の監査人の保証がついた内訳を初めて公表した。それによるとテザーの裏付けとなる財務省短期証券(Tビル)の保有額が急増していた。ドルと1対1の交換レートになるよう設計されたテザーは、トレーダーが仮想通貨取引所間で素早く資金を移動したり、銀行口座に送金する手間をかけずに現金を保管したりする手段として非常に人気が高まっている。だがドルとのペッグは、裏付け資産の価値と入手のしやすさに依存している。新たな情報開示は良い知らせと悪い知らせの両方をもたらした。良い知らせは、詳細な情報開示と監査人のお墨付きによって、発行会社テザーおよび関連する交換所ビットフィネックスが違法行為を繰り返しつつある可能性が低くなったことだ。テザーらはこうした違法行為を巡って今年、1850万ドルの罰金を支払うことでニューヨーク州司法長官と和解している。
「テザー」は安全か、垣間見える裏付資産のリスク
問題はこのステーブルコインが実態以上に信頼されていること
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