アフガニスタン中央銀行の総裁代行だったアジマル・アフマディ氏は、首都カブールを脱出した何千人もの人々の中の1人だった。彼のツイートによると、脱出を図る際にタリバン戦闘員が彼の行方を聞き出そうと家々を尋ね回っていたという。タリバンがアフマディ氏を探していた理由は明らかだ。アフガン前政権の財政状況に関して彼が持っている情報は、新政権にとって貴重なものだ。タリバンは組織の活動を支えてきたアヘン取引と脅迫行為による収入に加えて、国際通貨基金(IMF)からアフガン政府に来週供与されるはずだった巨額資金についても、受け取る権利があると考えていた。現在の推計によれば、アフガン中銀が保有する外貨準備は90億ドル(約9880億円)以上とみられる。先週末にかけて米財務省当局者は米議会に対し、この外貨準備の大半がアフガン国外にありタリバンによるアクセスが不可能なことを確認した。加えて米バイデン政権は先週、アフガン政府に届けられる過程にあった現金の輸送を取り止めた。