113年の歴史を持つ日本の調味料メーカーは、半導体不足で一段と風味が増している。味の素はグルタミン酸ナトリウム(MSG)を発明したことで知られる。MSGは料理にうま味を加える、賛否両論のある調味料だ。ただ味の素は、世界中でコンピューターの中央処理装置(CPU)に使われる材料も作っている。同社はMSGを製造する際に出る副産物を利用して、「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」と呼ばれる一種の絶縁材を製造している。ABFはマイクロチップと回路基板をつなぐ「ABF基板」と呼ばれる半導体部品に組み込まれる。インテルやAMDなどの半導体メーカーでは、新型コロナウイルス感染拡大で需給バランスが崩れ、基板が不足している。日本のイビデンや台湾のユニマイクロンなど基板メーカーの株価はここ2年で倍余りに上昇した。ユニマイクロンはABF基板の生産能力が数年先まで受注で埋まっていると述べている。