組織でDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進させるには、超えるべき壁がいくつかあります。しかし、一気に行うのではなく、どの部署・どんな事業から最初に取り掛かるか見極めることが重要です。製菓業の不二家はどう判断したでしょうか。ハーバードMBA卒、元Google本社勤務で現在、シリコンバレーでAI開発会社を経営する石角友愛氏の著書『いまこそ知りたいDX戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から抜粋してお届けします。
DXには5つのステージがある
「デジタルトランスフォーメーション5つのステージ」と題した次の図をまず紹介したい。トニー・サルダナの近著『Why Digital Transformations Fail』(邦訳『なぜ、DXは失敗するのか?』東洋経済新報社、2021)に紹介されていたチャートを私が日本語訳し、さらに、デジタイゼーション(アナログからデジタルへの移行)、デジタライゼーション(デジタル化されたデータを使用して作業の進め方やビジネスモデルを変革すること)、DXの定義と、AIの関係性を加えたものである。
この5ステージにあてはめると、多くの日本企業は、まずこの1ステージの基礎ステージからスタートすることになるだろう。
製菓業の不二家のケースを見ながら、どうDXにどう向き合って企業経営していくべきなのか見ていきたい。