コロナ禍でDX(デジタルトランスフォーメーション)需要が高まっているといわれている。しかし、デジタルソリューションを打ち出す日系大手企業がその恩恵を受けられているかといえば、疑問符が付く。その背景を米系IT企業と比較しながら考察する。(グロスバーグ代表 大山 聡)
日系大手メーカーは
DX需要に応えられているのか
2020年の初頭から始まった新型コロナウィルスの感染拡大は、われわれの日常生活に大きな制限を与える事態を引き起こし、世界的に終息のめどがまだ立っていない。飲食店や娯楽施設への悪影響は言うに及ばず、ありとあらゆる経済活動に打撃を与え続けている。
リモートワーク、オンライン会議など、仕事のやり方に関しても変更を余儀なくされているが、その影響でIT産業はあまり被害を受けていないのではないか、むしろコロナ禍によるDX(デジタルトランスフォーメーション)関連需要が伸びたのではないか、という声も聞こえてくる。
ここでは、IT領域の事業を展開する日系大手電機メーカーの日立製作所(IT部門)、NEC(全体)、富士通(全体)の決算発表を見ながら、各社のコロナによる影響を比較し、DX関連の成果について分析してみる。