暗号資産(仮想通貨)業界があまりに大きく膨れ上がり、過剰なリスクを取ることが可能なことから、各国の監督当局が注視している。ビットコインの価格は16日に節目の5万ドルを超え、今や時価総額は9000億ドル(約98兆7000億円)を超えた。ごく少数を除いた全ての企業を上回っている。ステーブルコインと呼ばれる価格の安定を目指すデジタル通貨は、これまで以上に取引や発行のハードルを下げた。アジアにある巨大な暗号資産取引所では100倍のレバレッジ取引を提供し、そうした商品が合法ではない国々のトレーダーも利用できる場合が多い。何年にもわたり見過ごしてきた規制当局や議会は、今やこの状況に追いつこうと躍起になるが、簡単ではなさそうだ。彼らが監督下に置こうとするのは従順な業界ではない。ハイテク業界のように目新しい商品を積極的に展開してユーザーを一挙に獲得する戦略をとり、規制順守は後回しにする傾向がある。