イスラム主義勢力タリバンが制圧したアフガニスタンからできる限り多くの人を国外に脱出させようと、米退役軍人や国防請負業者、援助活動家、元スパイなどそれぞれ異質なメンバーで構成される集団が必死の救出作戦を展開している。ジョー・バイデン米大統領が定めた米軍の撤収期限が刻一刻と迫っており、残された時間はわずかだ。アフガンにはなお、数万人のアフガン協力者や米国人をはじめとする多くの外国人が取り残されている。だがバイデン氏は、現在米国が支配下に置くカブールの空港から、8月31日までに米軍を完全撤収する計画を堅持するとしている。米国防請負業者エリック・プリンス氏は、カブールから脱出するチャーター機を1人当たり6500ドル(約71万5000円)で提供していると話す。米国や北大西洋条約機構(NATO)は自国市民を空港まで運ぶため、タリバン制圧地に特別救出部隊を送っている。そして、過去20年に米国主導の連合軍を支援した見返りとして、米国が守ってくれると信じてきた数え切れないほどのアフガン人の協力者たちは、このまま置き去りにされ、タリバンの迫害に単独で立ち向かわなければならないであろうと認識しつつある。
アフガン脱出、民間人も懸命の支援 迫る期限
空席だらけで飛び立つチャーター機も
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