中国全土で労働力不足が表面化している。若者が工場労働を嫌がり、出稼ぎ労働者が地元にとどまっているためだ。こうした状況は、労働力人口が高齢化、縮小を続ける中で今後生じるより大きな課題を予見させる。今年に入って中国製品への需要が急増する中で、ハンドバッグから化粧品までさまざまな製品を手掛ける工場のオーナーらは、労働者の確保に苦労していると語っている。中国では新型コロナウイルス感染症の感染者数は少ないものの、一部の出稼ぎ労働者は都市や工場での感染を恐れている。他の若い人々は、工場よりも仕事が楽だったり、給料が良かったりするサービス業に引き付けられている。こうした傾向は、米国の労働市場に見られるミスマッチと似ている。米国では一部お雇用主は、新型コロナの感染拡大で何百万人もの人々が依然失業状態にあるにもかかわらず、十分な数の労働者の確保に苦労している。