北朝鮮はプルトニウム生産を再開したとみられ、抑止力を高めると同時に対米交渉の切り札ともなる核兵器の増強につながる可能性がある。金正恩(キム・ジョンウン)政権は核施設の活動が人工衛星で監視されていることを十分に認識している。国際原子力機関(IAEA)の報告書によると、このところプルトニウムを生産する寧辺(ヨンビョン)原子炉からの冷却水排出がみられ、原子炉が再稼働している兆候がある。寧辺原子炉から取り出された使用済み燃料からプルトニウムを分離するために使われる近くの研究所も、数カ月前から稼働しているもようだ。北朝鮮はここ数週間、バイデン政権に対する不満をあらわにしている。米国が協議を呼び掛けているのは「偽善」だとし、軍事力の強化を宣言している。だが、寧辺の動きは、正恩政権の激しいレトリックに、計算ずくの行動を伴わせるものとなる。
「こっちも見ろ」の北朝鮮、計算ずくの原子炉再稼働
アフガン撤退に集中する米に注意喚起の作戦か
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