毎月5万円の余剰金から、つみたてNISAで毎月5000円を投資

 先日相談に来られた会社員のNさん(36、独身)も、そう思わせた一人です。最近、月の収支のやりくりがうまくいっており、余剰金が約5万円出るようになったので、どのように資産形成をしていくべきか相談に来られました。すでに投資を始めており、つみたてNISAを利用して毎月5000円の投資信託を積立投資しています。

 相談時の貯金額は約600万円。この金額の多くは1~2年のうちにためたもので、投資も2年前に始めていました。かなり頑張って取り組んでいるようです。貯金や投資の原資となるお金の残し方は、ひたすら「節約」。自己投資もせず、お金のかかる趣味もなく、お金を使わない生活を心がけています。

 お金の意識が比較的高いように感じましたし、生活防衛資金も十分にある状況と言えました。そのため、毎月の5万円ほどの余剰金をすべて投資に回していくのでもよいのではないかと伝えたのですが、そこまではしたくないようです。

「では、全額を投資に充てないとしても、いくらか投資額を増やしていくのはどうでしょう?」と提案したのですが、あまり乗り気でもありません。投資をすると将来のための資金作りができるということは理解できているようですが、Nさんの中では投資に充てるお金は「支出」であると頭の中では区分けされているため、支出を増やすことは好ましくないと思っているようでした。「将来の資産になる」面と「なくなってもいいお金」の両面があるようです。