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「なぜ言わなかった?」――部下からの相談がなく、事態が大きくなってからようやく報告を受けて対応に追われたことがある管理職は少なくないはずだ。部下を責める前にまずは「部下が相談しやすい環境」を整えることが先かもしれない。トラブルの芽を早い段階で摘み取ることができれば、チームの生産性は向上し、より大きな成果を上げることにもつながるはずだ。心理学の知見から導き出された、部下がどんどん相談してくれるようになる“魔法の一言”を紹介する。(文/心理学者・立正大学客員教授 内藤誼人)
信頼される上司の特徴
シカゴ大学の研究結果
評価につながる、うまくいってない自分を曝け出すのが怖い。
私たちは、自分の悩みをしっかり聞いてくれる人にしか相談を持ちかけません。きちんと話を聞いてくれない人に悩みを打ち明けても、まともに取り合ってもらえないと思うからです。
「なるべく手短にすませてよ」
「そんなの○○すればいいだけじゃん」
「つまらないことで悩むな」
勇気を出して自分の悩みを打ち明けたとしても、このようにつれない態度をとられることが目に見えている場合には、私たちはそもそも相談しようとは思わないのです。
上司は、「困ったことがあれば、何でも相談してくれよ」と口では言うかもしれませんが、「どうせ相談しても、聞いてくれないだろうな」と思っている部下は相談をすることはありません。せっかく相談しても取り合ってもらえないのなら意味がありませんから。
部下に相談を持ちかけられる上司は、きちんと聞く耳を持っている人。
きわめて単純化して言えば、悩みを聞いてくれる時間が長い人です。







