株価のピーク時に売り抜けるのは、至難の業

 FRONTEOは、2017年11月14日に営業利益が黒字転換してから約7ヵ月後に、株価が1298円となり約2.2倍になりました(下図)。

 黒字転換2倍株投資は、株価が2倍近くになれば利益を確定する方法です。上図の株価を見ると2018年6月15日ピークとなりましたが、株価のピーク時に必ずしも売り抜けられるとは限りません。ある意味、それは至難の業です。

 このケースで四半期の業績推移を見てみると、営業利益の拡大が止まった2018年第1四半期(6月)の時点で手放す判断ができます。

 上図を見ると、2018年第1四半期の決算(8月14日発表)で営業利益の拡大がいったん止まり、株価も下落を始めています。

 このタイミングまで株の保有(買いポジション)を引っ張ってしまったとしても、仕方がないでしょう。

 その後、2018年第1四半期の決算発表で営業利益の成長鈍化を見届けた後に売却したとしても、買い値から約1.7倍の株価で利益を得ることができます。

黒字転換銘柄は、株価が安い水準に放置されている馬渕磨理子(Mabuchi Mariko)
経済アナリスト、認定テクニカルアナリスト
フィスコ金融・経済シナリオ分析会議 研究員
日本クラウドキャピタル マーケティング・未上場マーケットアナリスト
フジテレビ系列LiveNews αレギュラーコメンテーター
滋賀県出身。同志社大学法学部卒業、京都大学大学院公共政策大学院卒業、公共政策修士。2013年関西の某医療法人に入社後、資産運用トレーダー業務を始める。独力で財務・経営分析力を磨いた結果、資産を3倍にする。2015年独立系金融情報配信会社FISCOのアナリスに転身。上場企業の経営者を中心にインタビューし、個別銘柄分析や日本・韓国・米国経済等の市況分析に従事。入社当時、アナリストだった上司より「堅実な銘柄選定法」として「黒字転換2倍株」のノウハウを受け継ぐ。2017年からは日本クラウドキャピタルにも籍を置き、日本初の未上場マーケットアナリスト兼マーケティング担当として活動。雑誌・Webなど連載多数。「PRESIDENT」本誌にも多数記事を掲載。「プレジデントオンライン」の執筆記事は、2020年の半年間で累計6000万PVを超え、「日本一バズるアナリスト」ともいわれる。2020年11月ラジオ日経にて「馬渕磨理子の5分で教えて!ベンチャー社長」がスタート。初の著書『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』をダイヤモンド社から2021年6月16日に上梓。