AI銘柄一極集中のリスクには十分に注意すべきだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA
「AI関連銘柄さえ買っておけば、大きなメリットがあるのは間違いない」――こう思い込む投資家は多い。株価の最高値を更新した韓国では、サムスン電子とSKハイニックス以外、大きく上昇した銘柄は見当たらない。同じことはTSMCの時価総額割合が高い台湾、キオクシアの値上がりが鮮明な日経平均株価にも当てはまる。今後、AI銘柄一極集中のリスクには、十分に注意すべきだ。それはなぜか、解説する。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
韓国の株式市場が空前の活況
キオクシア株なども急上昇
大手投資家がこぞって有力AI企業の株式を買いあさっている。米国の大手IT企業に続いて目を付けたのは、AIデータセンターに必要な高性能半導体を供給するメモリーメーカーだ。代表格が台湾のTSMCであり、韓国のSKハイニックスとサムスン電子である。
特に、高性能のメモリーチップは供給不足にある。AIチップ市場では、演算に使う画像処理半導体(GPU)などより、HBMの不足が深刻だ。構造的問題との見方すらある。
そうした状況下、視線は韓国のSKハイニックスとサムスンに向かった。韓国2大半導体メーカーの業績拡大は続くとみる投資家は多く、2社の株価は高騰した。
韓国の株式市場では、2大半導体メーカーの時価総額が全体の約6割以上を占める。韓国の株式市場は、半導体市況そのものといえるだろう。
AIブームに乗って大手投資家が韓国株を買い上げ、それと同時に、韓国の個人投資家も一斉に株式市場に入ってきた。株式市場は空前の活況を呈している。その波はわが国の株式市場にも押し寄せ、キオクシア株などが急上昇することになった。
実はこうした流れは、過去にも似たケースがある。2000年ごろのITバブルの絶頂期が、まさに同じ様相を呈していた。投資家の強気心理の膨張や、いわゆる「ドットコム銘柄」一極集中も似通っている。ただ、株価の急上昇は永遠に続くことはない。00年9月、インテル・ショックをきっかけにITバブルは崩壊した。
今後、韓国2大半導体メーカーの業績はどうなるのか。実は、7月10日のSKハイニックスが米国で株式上場した前、サムスン電子の速報(暫定)決算後、AI相場下落の前兆らしきものが見えている(詳細は後述)。







