NISAで長期投資をするなら、高配当株を保有して、安定的に配当金を受け取りたい。そう考える人は多いでしょう。しかし、配当利回りの高さだけで銘柄を選ぶと、減配と株価下落による「二重の損失」を被ることがあります。「長期の高配当株投資では、減配しにくい銘柄を選びたい」と話すのは、2000億円超を運用した元ファンドマネジャーで、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、高配当株投資のポイントを解説します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

高配当株で失敗しないために「買う前に必ず確認したい1つの数字」Photo: Adobe Stock

長期で持つなら、どの高配当株を選ぶ?

「NISAを利用して、長期で安定的に資産を増やしたい」

 そんな人にとって、定期的に配当金を受け取れる高配当株は、魅力的な投資先です。

 ただし、予想配当利回りが高ければ、どの銘柄を選んでもいいわけではありません。利回りの数字だけを見て選ぶと、思わぬ損失を被ることがあります。

 では、長期投資に向く高配当株は、どのように見分ければいいのでしょうか。

 窪田さんは、著書『株トレ ファンダメンタルズ編』で、誰でも実践できる高配当株の選び方を解説しています。

 たとえば、次の3銘柄のうち、長期で投資するなら、どれを選びますか?

どの高配当利回り株を選ぶ?どの高配当利回り株を選ぶ?

 高配当株への長期投資という観点から、窪田さんが選ぶのは「I社」だと言います。なぜ、ほかの2社ではなく、I社なのでしょうか。

「見かけの高利回り」に要注意

 配当利回りを見るときに、必ず知っておきたいことがあります。それは、株の配当利回りは、「確定利回り」ではないということです。

 利回りが高すぎる銘柄は、業績悪化によって「減配」となり、それに伴って株価も下落してしまう「二重の損失」のリスクを抱えています。

 そのため、高配当株への長期投資では、利回りの高さだけでなく、「減配になりにくい銘柄」を選ぶことが必須です。

減配しにくい高配当株を選ぶなら、「時価総額が大きい」銘柄

 窪田さんは、長期保有に向く高配当株の条件として、次の3つを挙げています。

 ・時価総額が大きい
 ・財務内容が良い
 ・収益基盤が安定している

 とはいえ、「財務内容や収益基盤を見極めるの難しい」という方もいるでしょう。そんな方は、「時価総額が大きい銘柄を選ぶとよい」と窪田さんは話しています。

 時価総額が小さい銘柄には、成長力の高い企業がある一方で、財務や業績が不安定なケースも少なくありません。

 これに対して、時価総額が極めて大きい銘柄は、必然的に財務が健全で、収益力も安定している傾向があります。そのため、時価総額の大きい銘柄を選ぶだけでも、プロさながらの銘柄選定が可能になります。

日本株で実践する「ダウの犬」戦略

 この考え方を簡単に実践する方法として、窪田さんが提案しているのが、「ダウの犬戦略」を日本株に応用する手法です。

 具体的には、「TOPIX Core30」の構成銘柄の中から、予想配当利回りが高い上位10銘柄を選び、それぞれに同じ金額を投資します。

「TOPIX Core30」とは、東京証券取引所に上場する企業の中から、特に時価総額が大きく流動性の高い30銘柄で構成されている株価指数です。

 この方法なら、「時価総額が大きい」という条件を満たしたうえで、配当利回りの高い銘柄へ自動的に分散投資できます。

 購入後は、1年に1度リバランスします。予想配当利回りの上位10銘柄から外れた株を売り、新たに上位10銘柄へ入った株を購入します。

「ダウの犬戦略」で選ぶ、高配当利回り株上位10銘柄(ダイヤモンド社書籍編集局作成)「ダウの犬戦略」で選ぶ、Core30の高配当利回り上位10銘柄(ダイヤモンド社書籍編集局作成)

 通常、10銘柄へ同じ金額を投資するには、まとまった資金が必要です。しかし、「単元未満株」を利用して1株ずつ購入すれば、数万円程度からでも10銘柄への分散投資を始められます。