現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破した著書『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
世の中、すべて「ガチャ」である
いま、世間では「親ガチャ」が話題のようです。ガチャガチャのように運要素の強いものを「ガチャ」と呼びますが、自分で選べないものの代表が「親」ですよね。
親が当たりかハズレかを気軽に言える世の中は健全だと思います。家庭の話をタブーのように扱ってしまうと、児童虐待やネグレストなどの問題がブラックボックスになりかねませんから。
それに、世の中の物事はほとんど「ガチャ」なんですよね。学校だって、就職だって、結婚だって、つねに「運」の要素は絡んできます。
それを当たり前に受け入れた上で、「じゃあ、どうしよう?」と前向きに考える人生のほうがいいと僕は思います。
「恵まれた人」は静観すれば?
基本的に、恵まれた環境にいる人は、なかなかそのことに「感謝」しないものです。普通の家庭に生まれて、普通にごはんが食べられて、普通に高校や大学に進学できて、普通に欲しいものが買ってもらえる。
そんな家庭に生まれた人は、わざわざ「自分は親ガチャが当たりだった」とは思いません。意識することすらないはずです。
ガチャという言葉を使うからには、「不満」があることが大前提としてあります。親がアル中だったり、まともに働いていなかったり、モラハラまがいのことを言ってきたり。そういうときの心理的な回避方法として、「親ガチャに外れた」ということを言うものです。
なので、普通に恵まれた家庭に生まれた人が「ガチャなんて言い方は失礼だ」と言うのは、傲慢でしかないと思います。恵まれた人は、そのことに感謝して、静かに暮らせばいいと思います。
親ガチャに外れた人へ
では、親ガチャに外れたと自覚する人は、どう生きればいいのでしょうか。
「親は選べないよね、ハハハ」と笑い飛ばしているレベルなら、まだかわいいものです。ゲームは、初期設定が「ハードモード」のほうが面白かったりします。
最初のレベル上げの段階は大変ですが、試行錯誤しながら成長していけたり、逆にコンプレックスが力になることもあります。
親ガチャに外れたことが意味を持たせてくれるように、なんとか自分の人生をよい方向に持って行ってほしいなと思います。
クソ親は、社会の底辺を見る教科書になります。あなたはあなたなので、親から切り離して自分の人生を生きましょう。
「親孝行しないといけない!」と義務感を持つ必要は全然ないですよ。親と縁を切って生きる人も多いですから。どうも世間は、ドラマや映画の影響なのか、家族愛が行き過ぎています。親に対する罪悪感を持たないことです。自分が幸せになることが最優先事項です。
そのために、まずは1人暮らしして距離を取って、自分の時間を守ることです。いろいろ言ってくる口うるさい親がいるなら離れるしかありません。話し合っても仕方ないですよ。就職先とか住む場所とかについて、監視してくるような親は、まともな親ではありませんし。
虐待を受けるようなひどい場合は、NPO団体に頼ったり、声をあげる必要があります。日本は、まだその声を拾って助けることができる社会だと思いますから。
とにかく、自分ファーストで生きるようにしていきましょう。過去は、これからの意味づけや解釈でいくらでも変えられますからね。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。