オーストラリアが米国の技術供与を受けて原子力潜水艦を建造・展開することを決めた。背景には、豪政府が中国の台頭を見誤り、その影響力に対抗するため、一段と強硬な姿勢で臨む必要が出てきたとの見方が国内で浸透していることがある。スコット・モリソン豪首相は米国との関係強化について、インド太平洋で開かれた航路を確保し法の支配を守るため、豪州がより積極的な役割を果たす必要があると述べた。またフランスが設計した通常型潜水艦は、原潜より速度で見劣りし、潜水時間も短いことから、この目的を果たせなくなったと説明した。その上で「ここ数十年にわたりオーストラリアが享受していた相対的に穏やかな安全保障環境はもはや過去のものとなった」と語った。