現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破した著書『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
見た目は「優秀そう」だけど…
どんな人と働きたいと思いますか?
優秀な人でしょうか。真面目そうな人でしょうか。そこにはさまざまな葛藤が生じると思います。
というのも、中途半端に自分より優秀な人を選んでしまうと、自分のポジションが危うくなってくることもあります。自分が経営者なら優秀な人に来てほしいと思うでしょうが、現場の管理職なら従順で真面目な人のほうがよかったりしますしね。
「優秀さ」もなかなか判断ができません。面接で雄弁に語っていると、優秀なように見えるかもしれません。でも、内面はクソやろうであることも考えられます。人前での話が苦手でも、じっくりと物事に取り組めばセンスを発揮できる人だっています。そういうのを見抜くのは至難の技ですよね。
自分と違う「発想」
どういう基準で人を選んでいるかを聞かれることがあります。
よく考えているようで、あまり考えていないことが多いです。それは、先ほど語ったとおりで、考えても仕方ない部分が大きいと思っているからです。あまり期待しすぎるのもよくないし、かといって誰でもいいわけでもない(笑)。
ということで、1つだけ大きな基準を設けています。
それは、一緒にいて「おもしろいかどうか」です。見た目や実力などの目に見える要素ではなく、ちょっと話しておもしろいかどうか。
いわゆるお笑い芸人のような「すべらない話」ではなく、これまでの経験や今の考え方として、僕が思っていることと異なる返しができるかどうかです。
「そういう発想するのか。へえー!」というおもしろさです。
自分にない発想をするということは、今の会社や人材とは異なる価値を提供してくれる可能性が高まります。「ダイバーシティ」と言われていますが、要するに、「いろんな価値観があったほうが当たる確率が高まるよね」ということです。
自分と似たタイプと働いたら、足し算にしかなりません。でも、異なる発想をするタイプの人と働いたら、掛け算になっていきます。
「こんなおもしろい人はいないかも?」
だから、面接のような場面では「裏切り」が必要なんですよね。
人は、質問をするときに、「たぶん、こういう返しをしてくるだろうな」という仮説を持っています。そして、そのとおりの答えが返ってきたら、何の印象も残りません。とはいえ、あまりに突飛な発想だったら、「なんだこいつは…」と思うだけなんですけどね。
だから、「おもしろいかどうか」だけで判断するのが、もっともわかりやすいですよね。
ざっくばらんにいろいろ話して、「何も印象に残らない」ということもあります。ほとんどはそうかもしれません。過去に会ってきた人や、身近にいる人と照らし合わせながら、「この人はこういうパターンだろうな」と考えながら話していますから。
その中で、「これまでのパターンにいない人だ!」と思えると、人は気になります。採用する側なら一緒に働きたくなりますし、合コンのような場だとしたら好きになるかもしれません。よく、付き合ったり結婚したりする理由のひとつに、「他の人と違ったから」「こんなおもしろい人はいないから」ということが挙げられます。それに似ていますよね。
ということで、「なんかおもしろいよね」と思わせるような人なら、一緒に働いてみたいと思います。その人が仮に無能だったとしても、おもしろければ諦めもつきますからね。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。