中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)は時間との危険な闘いを20年間続けながら、巨額の借り入れによって多くの市民が抱く「持ち家の夢」をかなえてきた。全国で不動産開発に相次ぎ着手し、完成する何年も前から物件を事前販売。実態は多額の利払いを何とか履行できるだけの運転資金を確保する自転車操業の状況にあった。その宴(うたげ)も終わった。当局の債務抑制策により積極的な借り入れ戦略が封じられ、恒大集団は経営破たんの危機に瀕している。多くの都市で建設案件が凍結された。同社は今、サプライヤーや個人投資家、未完成物件に貯蓄をはたいた住宅購入者らよる苦情や抗議デモに直面している。恒大集団は今夏、急速に資金繰りが悪化したため、請負業者に対し、現金ではなく未完のマンションで支払い始めた。中国南東部・福建省の塗装業者は、恒大集団が3400万ドル(約37億円)相当の未払い分を3軒の仕掛かり物件で支払ったと明かした。業者は現在、この物件の販売に取り組んでいる。武漢市の建設会社では、恒大集団の支払い延滞により、200人余りの社員が減給を余儀なくされた。同社幹部がウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に語った。
中国恒大危機、当局締め付けで「宴」終了
大衆への手頃な住宅供給を目指す当局にとって最大の試練に
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