目下のエネルギー価格高騰は来るべきアトラクションの予告かもしれない。今年の冬が寒ければ、まるでホラー映画と化す可能性がある。米国の天然ガス価格は今月に入り、100万BTU(英熱量単位)当たり5ドルを超え、2014年以来の高値に近づいている。ただ、欧州やアジアの水準と比べれば、かなり落ち着いている。国内でも天然ガスの地下貯蔵量が増加しており、在庫状況はそれほど深刻ではなさそうだ。問題は、季節的な備蓄が追いついていないことで、在庫は5年平均を7.1%下回り、余裕がなくなりつつある。米国の天然ガス価格がこれほど高騰したことはなかったというわけではない。シェールブーム以前には2桁台になったこともあったが、それは家の照明や暖房を保つために使い尽くされていた冬の時期だった。世界の国々は現在、供給ひっ迫が訪れようというまさにその時に、天然ガスやさらに米国の石炭を、切実に必要としているのかもしれない。