新型コロナウイルスの感染再燃によって世界経済の回復が鈍りつつあることを受け、各国政府はワクチン接種率の向上を通じて経済成長を加速させようとしている。その理屈はこうだ。まず、ワクチンを接種すれば消費者は感染への不安が和らぎ、旅行や外食、他人との距離が近くなるコンサートなどへの支出を増やす。さらに、感染者数が減れば、世界のサプライチェーン(供給網)にとって重要な港湾や工場などの操業を政府が停止させる回数も減る。だが、ワクチン接種率が高まるだけで、そうした成果を上げられるかは定かでない。欧州では今年、接種率の上昇に伴い成長率も急上昇した。ところが米国ではこの夏、接種率が高まる中でもコロナ変異株「デルタ株」の感染が拡大したことで経済活動は著しく減速した。
世界経済回復、ワクチンだけでは力不足か
デルタ株流行で景気が減速する中、各国は接種率向上に懸命
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