売上高で中国第2位の不動産開発業者――その負債総額は同国国内総生産(GDP)の約2%に相当――が経営破たんの瀬戸際にある。中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)の経営不安を何週間にもわたり無視していた米ウォール街も、20日にようやく事態を深刻に受け止め始めた。S&P500種指数は2%下落し、中国不動産開発業者のドル建て債に巨額の資金を投資しているグローバル債券ファンドも軟化した。恒大集団は23日に8350万ドル(約91億2300万円)の利払いを履行する必要があるほか、国内サプライヤーや顧客、投資家らによる抗議デモや訴訟などへの対応に追われている。ドル建て債はデフォルト(債務不履行)か、大幅なヘアカット(債務元本の減免)となる可能性が濃厚だ。中国金融市場の大混乱は避けられないわけではない。だが、恒大集団の経営不安は不動産市場全般にさらなる打撃を与えかねず、中国当局が恒大集団の事業とオンショア債券を秩序立ったやり方で迅速に再編しなければ、そう遠くない将来に大混乱に陥る恐れはある。