ジョー・バイデン米大統領が21日に米国の最高司令官として初めて国連総会で行った演説は、自身のレトリックの特徴である高邁な国際主義者の感情に満ちていた。その言葉が、今後4年間にわたってバイデン氏と米国が対処しなければならない世界の現実を反映していればいいのだが。バイデン氏は「われわれは20年に及んだアフガン戦争を終わらせた。そしてわれわれは、この絶え間ない戦争を終わらせることで、絶え間ない外交の新たな時代を切り開こうとしている」と主張。その外交とは「開発援助の力を使って、世界中の人々の生活向上の新たな取り組みに投資するとともに、民主主義を生まれ変わらせ、守っていくものだ」と語った。バイデン氏は総会に集まった各国首脳に心地良い言葉を聞かせた。それは国連の理想主義的な諸機関、世界保健機関(WHO)、国連人権理事会(UNHRC)、そして世界的な保健衛生面の脅威に対処する国連の新たな理事会(Global Health Threat Council)の設置にまで、米国が深く関与するというものだった。パンデミック(感染症の世界的大流行)の脅威への対処はWHOの仕事だったのではないか。きっと国際的な官僚組織は、多ければ多いほど良いのだろう。