入社3年目のこと。40歳をちょっと過ぎるまでに株式投資で生涯賃金2億円を稼ぐことを決意した。でも、投資はまったくの素人だった。そこで、サラリーマンとして忙しく働きながら、株式投資の入門書を買って勉強するところから始めた。最初は短期売買を繰り返して失敗したが、より落ち着いて取引できる中長期投資に方向転換したところ、“勝ちパターン”が見つかった。どんどん資産を増やし、当初の計画前倒しで資産2億円達成!『10万円から始める! 割安成長株で2億円』の著者・弐億貯男が、すべての会社員におすすめの投資スタイルを手取り足取り伝授する。
「割安成長株」を
スクリーニングする
前回お話しした3つのポイントでざっくりと割安株を絞り込んだうえで、今度は次の5つのポイントから、さらに「成長株」を絞り込んでいきます。
以上5つのうちすべて、もしくは3つ以上満たしている銘柄を買っておけば大きく外す確率は低いです。
それでは、それぞれについて詳しく説明していきましょう。
成長性をはかるのは、シンプルにその会社の業績が増収増益かどうかです。
ただし、直近1年だけだと“まぐれ好業績”の可能性もありますから、少なくとも直近2~3年は増収増益かをチェックします。
ブログやTwitter、マネー誌などで「業績好調」と派手に推奨されていたとしても、その情報を自分で調べもせず、鵜呑みにしてはいけません。
前述したように、ブログやTwitterの情報には自分の保有株の値上がりを狙った利益誘導的なポジショントークである可能性があります。
後悔しないためにも、株主・投資家向けのIR情報などで、直近の業績動向について必ず「自分の目」で確認するようにしましょう。
PERは、株価を1株あたりの当期純利益で割って求められ、「数値が低ければ低いほど割安」とされる指標です。
平均はPER15倍くらいとされていますが、PER10倍以下を割安の基準にします。
お目当ての会社のPERは、「会社名」と「PER」でキーワード検索すれば、すぐに見つかりますし、「決算短信」や「会社四季報」からも簡単に算出できます。
増収増益が続いて、1株あたりの純利益が増えてくると、PERが下がり(割安になり)ます。
すると、多くの投資家がPERを参考にしていますから、その会社の株が買われやすくなって、株価の上昇が見込めるようになります。
ただし、次のようなケースには注意が必要です。
景気と業績が連動しやすい人材派遣銘柄や、円安の恩恵を受けやすい輸出関連銘柄は、好景気や円安の局面で純利益が2~3倍にも増加することがあります。
「PER=現在の株価÷1株あたりの当期純利益」ですから、その時点ではPER10倍以下で割安に見えたりします。
ところが、こうした銘柄は買った瞬間には割安であったとしても、景気後退や円高の局面に入った途端、純利益や株価が一気に2分の1とか3分の1に急落してしまうケースもありますから要注意なのです。
では、どうしたらよいのでしょうか?
過去の業績に照らして純利益が安定的に増えており、なおかつPER10倍以下の銘柄を探すようにするといいです。
景気によって株価が大きく上下する人材派遣銘柄や輸出関連銘柄は、景気の底でうまく仕込めたら、その後の景気回復局面で純利益が2~3倍に増加して、株価も2~3倍になるという嬉しい展開も大いにあり得ます。
このような“景気敏感株”は景気回復局面や好況期ではなく、不況期が投資のチャンス。
新型コロナショックの影響によって不況期が訪れたとすれば、景気敏感株を狙いに行くのもアリだと思います。
一方、PERには次のような問題点もあります。
1株あたりの当期純利益は、「特別利益」「特別損失」が発生しているケースや、法人税が減免されているケースでは、PERが計算上割安になったり割高になったりして、本来の割安度が正しく算出できないことがあります。
そのためには、インターネットなどで過去から今期にかけての純利益(税引後利益)の推移をチェックして、今期の純利益ベースでのPERが適切か(不自然な推移でないか)どうかを確認しておくといいです。
また、不況期の局面では企業の純利益は減少し、場合によっては赤字に転落することもあります。
1株あたりの純利益が半分になれば、PER10倍で割安だと思っていた銘柄が、一気にPER20倍と割高になってしまい、株価が急落するケースも考えられます。
赤字になると、PERでは適正な株価を算出できなくなります。
とはいえ、PERはいちばんわかりやすい指標なので、まずは活用してみましょう。
細かいことは活用しながら身につけていけばいいです。
なによりPERを活用し続けたからこそ私の成功がありますから、PERを目安にするのは間違ってはいないと思います。