・具体的なお悩み
 会社は営業利益が年間1000万円程出ており、今後も年5%位の売り上げ向上が見込まれます。しかし、2人いた社員のうち1人が退職し、もう1人が来年5月まで育児休業をとっているため、現在役員2人で対応しています。効率化を図り、2人でもやっていけないことはないですが、早期にリタイアして物価の安い国でゆっくりしたいと思っています(輸入業なので、1年の5分の1くらい海外へ出かけており、海外生活に不安はありません)。周りは会社を解散するのはもったいないと言うのですが、後を継ぐ人材もいないので、特に気にしていません。

 また、会社を解散しても全く収入がなくなるのではなく、資産運用のリターンや年金で毎月20万円位の収入が確保できそうです。この状態で、会社を解散してリタイアし、自分が先立った後も妻が生涯暮らしていけるようにするにはどの様にすればよろしいでしょうか?

Hさんのリタイア後
家計はどうなる?

 早速、Hさんの一つ目のお悩みに答えていきましょう。リタイアが可能かどうか回答していきますが、残念ながらHさんからいただいた家計収支などに関するデータがかなり少ない状況です。このため、推測を交えた一般的な回答になることをご承知おきください。

 Hさんが経営している会社は1000万円位の営業利益が出ており、また今後も年5%位の売り上げ向上を見込めるとのこと。会社経営に不安はないように見られますが、社員が退職したり、後を継ぐ人材もいない状況なので、会社を解散するのは良い時期と思われます。何よりHさん自身が会社を解散することに未練がないことが、リタイアするのによいタイミングといえるでしょう。

 退職後は物価の安い国でゆっくりしたいとのことですが、退職後はHさんの年金と運用からのリターンで毎月20万円位の収入が確保できそうと記載があります。

 Hさんは現在62歳で、年金を受け取れる65歳まで、会社解散からの3年間は運用収入だけになります。運用収入をどんな方法で確保するかはわかりませんが、今後のキャッシュフローを考えるときに運用益を加味することは通常ありえません。資産運用で得られる収入はあくまでも予想であり、不安定なものと考えるからです。