かつては目立たなかった自動車用マイクロチップの世界は、すっかり様変わりしそうだ。自動車業界にとって今月は厳しい月となっている。トヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)は部品、特に半導体の不足を理由に、秋の生産スケジュールを大幅に縮小すると発表した。コンサルティング会社のアリックスパートナーズは23日、半導体不足による今年の自動車業界の損失は2100億ドル(約23兆円)に上る可能性が高いと述べたが、これは5月時点の同社予想のほぼ2倍だ。ついにその時が来れば、現在の混乱から生まれるニューノーマル(新たな常態)は、昔のノーマルとは似ても似つかないものとなりそうだ。自動車メーカーは再発防止へ最大限の努力をするだろう。ましてや、業界はデジタル革命の入り口にあり、半導体の供給量を大幅に増やす必要がある。