米国の大使館などで働く外交官や情報機関職員らを襲う「ハバナ症候群」と呼ばれる健康被害が拡大している。米中央情報局(CIA)は最近、バルカン半島のセルビアで勤務していた情報機関職員を避難させた。ハバナ症候群で特徴的な深刻な神経症状を患ったためという。現旧の米政府関係者が明らかにしたセルビアでの事例は、これまで報じられていなかった。海外勤務の外交官らを襲うハバナ症候群について、当局者や科学者は何らかの指向性エネルギーが使われた可能性が高いとみている。関係者によると、何者かによる攻撃とみられるこの現象は米国内外で事例が増えている。最近ではインドとベトナムで報告された。ハバナ症候群に関し米政府に助言する米ジョージタウン大学のジェームズ・ジョルダーノ教授(神経学)によると、過去60日から90日の間に米国や世界各地で多くの事例が報告されている。