ドイツはアンゲラ・メルケル首相の下で、欧州連合(EU)の経済・政治面の決定に際し、けた外れに大きな役割を果たしてきた。今後は独新政権の構成が、新型コロナウイルスの流行収束後の経済政策から、米国・ロシア・中国との関係に至るまで多様な分野で、EUが直面する一連の重要問題に関する決定を左右することになる。EUは今後数カ月のうちに、加盟諸国の財政に関する規則を緩めるかどうか決定しなければならない。この決定は、EU経済の今後の軌道に影響を与える可能性がある。EUはまた、自前の安全保障・国防能力を確立すべきだとするフランスからの圧力にもさらされている。大混乱の中で行われた米軍のアフガニスタン撤退と、米政府のアジア重視の政策に対応を迫られていることが、その一因だ。
独総選挙のあおり、EUの重要政策が棚上げに
EU最大加盟国の次の方針読み取れず 欧州経済・防衛の決定も遅延へ
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