投資家は2008年の金融危機以降、「TINA(他の選択肢はない)」という思考に基づいて投資判断を下してきたが、今やそうした思考から脱却する準備ができているようだ。だが、この思考から抜け出すのは彼らが考えている以上に難しいかもしれない。29日は世界各地の株式市場が前日の急落から小反発した。Stoxx欧州600種指数は前日比0.6%高、ダウ工業株30種平均は0.3%高で引けた。9月の株価は不振を極めた。S&P500種指数はこれまでの下落率が3%を超え、月間のマイナス幅が昨年9月以来の大きさになりそうな情勢だ。ハイテク株などの「グロース」株から銀行などの「景気敏感」株への資金移動が起きた。景気敏感株は金利の上昇に加え、自動車メーカーやエネルギー生産会社といった世界の経済主体の足かせとなっている供給不足が追い風となっている。