米株式市場は下落して7-9月期の取引を終えた。S&P500種指数の9月の下落率は、新型コロナウイルスの流行を受けて大幅安となった2020年3月以来の大きさとなった。9月30日はS&P500種指数が前日比1.2%安で引け、7-9月期の上昇分をほぼ帳消しにした。ダウ工業株30種平均は1.6%安となり、20年1-3月期以降で初めて四半期騰落率がマイナスとなった。投資家は株価が好調を維持したまま四半期を終えることに期待していたが、それには程遠い結果となった。今年も残り数カ月となり、資産運用会社の多くは焦燥感を強めている。今年のインフレ上昇は一時的な現象で終わるとみている中銀当局者らは、一過性の圧力がいつまで続くか確信があるわけではない。7-9月期も力強い経済成長を遂げたと予想していたストラテジストらは、サプライチェーン(供給網)の目詰まりや新型コロナ変異株「デルタ株」の感染力の強さを踏まえて成長率予想を引き下げている。経済指標も予想に届いていない。米経済指標が予想を上回ったり下回ったりした度合いを示すシティグループの経済サプライズ指数は、9月に2020年6月以来の低水準となった。