仕事で世界をより良くしたいと考える人は多いだろう。企業が近年、自社の理念に生活を向上させるための高尚なゴールや、より広範な目的を掲げるようになった理由の一つだ。一部の労働者は行き当たりばったりではなく、確かな根拠に基づくアプローチを使い、人類に最大の恩恵をもたらすと考えられるキャリアを求めている。彼らは「効果的な利他主義(Effective Altruism、EA)」と呼ばれる社会運動に参加している。これは、科学やデータを活用しながら、個人がいかに自身の時間や資金、スキルを使って最善のことを行っていくか、という考え方だ。2000年代終盤にオックスフォード大学の哲学者2人が考え出したEAというアプローチは、新型コロナウイルスの流行により多くの労働者が目的意識や仕事の意義を再評価する中で、改めて関心を集めている。