欧州で天然ガス価格高騰を招いた供給不足は、ロシアが国際エネルギー市場で影響力を増している実態を浮き彫りにした。ロシアはここにきて、生産枠を巡る石油輸出国機構(OPEC)の交渉から中国への石炭輸出まで、あらゆる場面で存在感を見せつけている。ロシアは世界最大のガス輸出国だ。欧州ではガス需要の3分の1以上を供給しており、域内のガス不足を迅速に緩和する能力を備えた重要なサプライヤーとして台頭している。だが、欧米の当局者は、ロシア政府がさらなる供給を抑えることで、地政学的な得点稼ぎを狙っていると指摘する。一方、ロシア政府は振れの激しい国際エネルギー市場における問題解決屋だと主張しており、政治的な利益を得るために巨大なエネ資源を利用しているとの見方を否定している。
ロシアが握るエネルギー覇権、世界で影響力増大
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