イタリアの戦後の好景気と「ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)」を象徴する航空会社として長年存在してきたアリタリア航空は、10月14日が最後のフライトとなる。何年間もイタリア政府の支援を受けてきた同社にとって、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)は最後の一撃となった。75年の歴史を持つナショナルフラッグキャリアのアリタリア航空は、1960年代末にはブリティッシュ・エアウェイズ、エールフランスに次ぐヨーロッパ第3位の航空会社だったが、2017年以降はイタリア版会社更生法の適用を受けてきた。この20年間は利益を上げられず、格安航空会社(LCC)との競争や自社の高コスト体質、ストを多発する労働力に長らく悩まされてきた。こうした問題は最後の最後まで、ほとんど解消されなかった。今週行われたストで、100便以上のフライトが欠航した。