中国の不動産開発大手・中国恒大集団がじりじりと崩壊に向かう中で、政府が包括的な対応策を用意しているとすれば、それはアジアで最もよく守られている秘密の一つと言えよう。習近平国家主席の率いる政府が介入し、少なくとも恒大の一部債権者の保護に動くことは明らかだ。ただ、誰がどのような形で優遇されるのか不透明なことは、もうひとつのリスクである。恒大が3000億ドル(約34兆円)以上の負債の管理面で問題を抱えていたことは、投資家や中国の政策担当者の間では何カ月も前から知られていた。今年8月以降、同社は国外の投資家向け債券の3件の利払いを期限内に履行できなかった。ただ30日間の猶予期間のおかげで、まだデフォルト(債務不履行)には陥っていない。