スティーブン・フレミングさんは会議テーブルの端に姿勢良く座り、少し離れたところにあるノートパソコンを見ていた。すぐ横に同僚2人が身を寄せるようにして座った。全員がパソコンのカメラに収まるためだ。「鼻がぶつかるほど近かった」と、アリゾナ大学の管理部門で働くフレミングさんは言う。同僚に息を吹きかけないようにじっと前を見ていた。壁に設置された大型スクリーンには、リモートで会議に参加する同僚4人の姿が映っていた。フレミングさんは集中して見えるように努力した。「(4人に)のけ者にされているように感じてほしくなかった」とフレミングさんは言う。「会議で大切なのはそうしたささやかなことだ」新型コロナウイルスの世界的流行が始まってから、米企業の間でビデオ会議は珍しくなくなった。しかしオフィス勤務を一部再開する社員が増え、オフィス勤務の社員とリモート勤務の社員の両方が参加する「ハイブリッド会議」が増えている。社員は新たな状況に対応しているが、ちょっとした不都合もある。