個人投資家の間でウランへの投資熱が続き、関連株が上昇している。2011年の福島第一原発事故を受けて10年間低迷していたウランのスポット価格は、8月初めの1ポンド当たり32.25ドルから足元では47ドルにまで上昇している。核燃料データ調査会社UxCによると、ピークだった2007年の137ドルには届かない水準だ。カナダのウラン生産大手、カメコの米国上場株は、10月の上昇率が20%を超え、株価は年初のほぼ2倍に達している。同じカナダの探鉱会社デニソン・マインズは今月27%上昇し、年初からは3倍近く上げている。米テキサス州に本拠を置くウラニウム・エナジーは今月14%余り上昇している。株価押し上げの原動力になっているのが、個人投資家主導のウラン価格の高騰だ。カナダの資産運用大手スプロット・アセット・マネジメントが運用するトロント上場のファンドには買いが殺到している。このファンドは夏以降に2度にわたり新規の資金調達を行いウランを購入。株価は7月の立ち上げから49%上昇している。