中国の全国的な不動産税(日本の固定資産税に相当)の導入は昔から困難を極めてきた。不動産レバレッジの引き締めが中国経済を急減速させる恐れがある現在では、一段と難しいかもしれない。ここ数十年で最も強力な中国指導者である習近平国家主席でさえ、少なくともすぐに実行に移すだけの影響力はなさそうだ。不動産税の試験導入案は共産党内で反発を受け、当初予定していた約30都市から約10都市に対象が縮小された。中国に不動産税が必要か否かの議論は、10年以上前から行われている。中国の住宅市場は、政府が不動産融資の規制を強化したことで既に低迷しており、規制を受けて大手デベロッパーの中国恒大集団が苦境に陥ったことは大きく報じられている。20日発表された公式データによると、中国主要70都市の9月の新築住宅価格は、前月比で0.08%下落した。下落幅は小さいものの、前月から下げたのは住宅市場が不況に見舞われた2015年以来のことだ。9月の住宅販売額は前年同月比で16.9%減少した。
中国の不動産税導入案、現れては消える不思議
経済の急減速が懸念される中では政策行き過ぎのリスク
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