米保険大手マーシュ・アンド・マクレナンの戦略では、優れたESG(環境・社会・企業統治)慣行であると見なされた米企業は、会社役員賠償責任(D&O)保険の条件改善の対象となる。同社の保険仲介部門は、気候変動関連の情報開示など注目度の高まっている分野に積極的に取り組んでいる法人顧客を見定めるため、複数の国際法律事務所や4社の主要保険会社と協力している。D&O保険は上場企業が契約する主要な保険商品で、株主に提訴された際に企業とその取締役や幹部を保護することを目的としている。マーシュの顧客企業のESGプログラムについては、ESG関連の訴訟や規則に詳しい複数の法律事務所が審査・評価し、場合によってこれを補強することになる。また、マーシュのブローカーは顧客向けの補償を保険4社に求め、優れたESG慣行の顧客の保険条件を改善することを目指すことになる。