肯定的な言葉で参加者を励ます
「蓑虫スタイル」とは

 面白かったのは、「蓑虫(みのむし)スタイル」という手法だ。

 セッションは、まず問いから始まる。「蓑虫スタイル」は、問いを持つ当事者たちがスピーカーになり、多様な参加者たちがライターになって、肯定的と思える言葉を付箋紙に記し、皆の前で読み上げながら当事者たちの身体中にべたべた貼っていくというものだ。

 私たちは3分間、LPWで「新しい働き方」を実践し、今後の道を探ってきた若者たち2組3人にインタビュー。7分でリストーリー(人生を語り直し、全員が共有)していった。

 1組目のNさんの提案は、「電子書籍事業」。参加者から「在宅でもできるのがいい」「著作権フリーに目を付けたのがいい」「将来性をよく考えている」「形ができていくのが嬉しいという話はとても共感できる」などと声をかけられ、みるみるNさんは“蓑虫”に変身していった。

 2組目のスピーカーは、「アート事業」を提案する2人。Iさんは自ら引きこもっていたことを明かしたうえで、府の職親制度「張籠(はりご)」(木や竹組みの上に紙を何枚も張り重ねて作ったもの。張りぼて)の職業体験に参加してハマり、いまも張籠造りを続けている。Oさんも、2年ほど家から一歩も出られなかったが、短期バイトやパートを経て、LPWでCGを描き始めた。

 参加者からは「引きこもり状態から、引きこもる人に支援できる意識までいったところがすごい」「熱中できる喜びを見つけ出したのはすばらしい」「自分の才能をフルに活用して前進している」「難しい工程をクリアして達成感を味わいながら創作を進められるところがすごい」「画廊を持ちたいという起業家精神がすばらしい」などといった感想が寄せられ、それらの付箋紙が貼られていった。やはり人はほめられ続けると、自己肯定感が高まっていくように思える。