大連関係者が絶対に口外できない
小京都たたきの「真相」

 大連の関係者が、公に口にできない小京都たたきにはもう一つの原因がある。習近平政権による大連つぶしの影響だ。

 習近平国家主席は、政敵であり、失脚した薄熙来(はくきらい)元大連市長の残党狩りを行っている。これにより、大連や遼寧省は中央政府から強烈な圧力を受け、2016年にはGDPが全省唯一マイナス成長を記録するほどの経済的なダメージを受けた。

 具体的には、薄熙来氏が大連市長を務めていた時代に造った巨大モニュメントや、始まった大連ビール祭りなど大型イベントを、いわば「薄熙来の象徴」として破壊したり終了させたりした。

中国・大連の「小京都」、無期休業でも中国は痛くもかゆくもない理由薄熙来市長時代の90年代半ばに建てられた真珠の巨大モニュメント(大連市友好広場、筆者撮影)

 今回の炎上騒動も、「習近平国家主席に忖度(そんたく)する勢力によってターゲットにされたのではないか?」と考える大連関係者もいる。しかし、彼らはこの推測を決して口外したり、書き込んだりできない。ぐっとこたえるのみといったところだろうか。

「新型コロナが収束し、また日本へ行けるようになったら、わざわざ遠方から小京都へ行く人はいなくなると思います。気がついたら商店街も普通に営業して、それなりに盛り上がる場所として落ち着くんじゃないでしょうか?」(大連の旅行会社代表)

(筑前サンミゲル/5時から作家塾®)