起業家にとっては、やや謙虚であることが成功への近道ということもある。米国経営学会誌に掲載された最新研究でわかった。投資家に対して謙虚な姿勢を示すアーリーステージの起業家は、そうでない起業家に比べて、次の資金調達段階に進む確率が約2倍になるという。リヨン第2大学で金融学を専門とするローラン・ビラノバ教授は「起業家の一般的なイメージと、アーリーステージで実際に資金調達に成功した起業家との間には乖離(かいり)がある」と語る。謙虚さはネガティブな資質にあらず謙虚さはネガティブな資質にあらず謙虚さが持つ力を検証するため、この論文の著者らはベンチャーキャピタリストを対象に「求められる起業家像」について調査を行った。予想にたがわず、投資家たちは「アグレッシブで野心的な創業者を求めている」と回答した。だが、その一方で、そのような資質を謙虚さで和らげることも彼らは求めていた。つまり、聞く耳を持ち、自分が選んだ業界では資金提供者のほうが知識が豊富であることを認めることができ、アドバイスを素直に受け入れることができる起業家が求められていた。