スティーブン・ホー氏は、高価なアンティークを扱うディーラーだ。ほぼ世界中の先進国から、目の肥えた裕福な顧客がほとんど理解し難い複雑な機械をこぞって手に入れようとやってくる。その商品の需要はかつてないほど高まっているが、同氏の気持ちは沈んでいる。需要が供給をはるかに上回っているため、売りたくても入手がほぼ不可能だからだ。ホー氏が売買するのは、年代物の時計やクラシックカーではない。このところ非常に品薄なマイクロチップを製造する装置だ。同氏が扱うのは、少なくとも10年は使用されていたものが多い。最も設備の整った半導体メーカー――サムスン電子やインテル、台湾積体電路製造(TSMC)など――が製造装置を買い替える期間は概ねそのくらいだからだ。だが、もっと年季の入ったものもある。
半導体不足? 製造装置はもっと足りない
1995年キヤノン製の中古品、14年の10万ドルから今は170万ドルに
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