自ら招いたこの外交政策の失態はどうしたものか。最も重要な世界政治の舞台における最も重要な同盟国で2年以上にわたり米国大使が不在のままだ。上院外交委員会は先週、ついに次期駐日大使に指名されたラーム・エマニュエル前シカゴ市長の人事を承認した。だが同氏はなお本会議での採決を待っている。直近の駐日米大使であるビル・ハガティ氏は2017年7月に指名承認された。トランプ前政権は中国との競争が激化する中、日本との関係強化に努めた。ハガティ氏は上院選にテネシー州から出馬するため、2019年夏に駐日大使を退任。トランプ大統領が2020年に指名した後任候補は、11月の大統領選前に上院の採決に至らなかった。ジョー・バイデン大統領が指名したエマニュエル氏は、民主党進歩派のエド・マーキー、ジェフ・マークリー両議員の反対に遭っている。シカゴ市長時代に起きた警察官による射殺事件への対応が主な理由だという。共和党の党利党略もエマニュエル氏に不利に働く可能性がある。