先物取引所運営大手の米CMEグループは、中核事業である取引システムをグーグルのクラウドに移行する計画を明らかにした。これを受け業界アナリストらは、通信やデータセンターに対するトレーダーによる数百万ドル規模の投資に影響が生じる可能性があると述べている。ブルームバーグ・インテリジェンスの市場構造リサーチ部門を率いるラリー・タブ氏は、高頻度取引(HFT)のトレーダーやその他のCMEの顧客はここ数年、極端なスピード重視の市場で最先端システムの構築を進めてきたと指摘。こうしたシステムではレイテンシー(通信の遅延時間)と呼ばれる反応までの時間が100万分の1秒もしくはそれを下回る単位で計測される。クラウドは最近まで、HFTには向かないとされていた。同技術はブラウジングや電子メール、動画のストリーミングなど、時間にセンシティブではないビジネス向けアプリに活用されることが一般的で、企業向けの高出力なアプリであってもHFTと同等のパフォーマンスが求められることはあまりない。